【音楽】都響 「作曲家の肖像」Vol.69《R.シュトラウス》2008年09月14日

指揮:大野和士
クラリネット:三界秀実
ファゴット:岡本正之
ソプラノ*:佐々木典子
ヴァイオリン**:矢部達哉
《R.シュトラウス》
 四つの最後の歌*
 クラリネットとファゴットのための二重コンチェルティーノ
 交響詩『英雄の生涯』** op.40
会場:東京芸術劇場

フランス・リヨン国立歌劇場音楽監督に就任したばかりの大野さん目当てのコンサート。世界各地の歌劇場に客演する機会が増えてきたためでしょう。日本での演奏会の機会が極端に減っているように思います。今回の演奏会も発売早々にSold Outしたと聞いています。たまたま、都響の前期定期会員でしたから、優先発売の便宜でチケットを入手したけれど、それでも席を選ぶほどは残っていませんでした。

さて、演奏会そのものですが、「四つの最後の歌」ではppの響きに引き込まれそうになりました。歌ものに対する大野さんの適性がよく表れていました。曲が終わってしばらくの静謐さがあって、指揮者が力をほどいた頃合いを見計らって拍手が起こる。
最近、こうした余韻を楽しむ演奏会に出会っていなかったので、幸先が良く、この演奏会では演奏者と聴衆が共有する時間と空間に十二分に浸ることが期待できそうでした。

「英雄の生涯」は冒頭のうねる低弦の響きからして鳥肌が立ちました。最初のフレーズからグイグイと引き込まれ気がついたらいつの間にか終わっていたという感じでした。
コンマスのソロは伸びやかに響き、完璧に弾ききったのではないでしょうか。素晴らしい!

3月に新日フィルでこの曲を聴いていますが、都響の方が何倍も良かった。どの曲も指揮者が手を下ろすまでじっと身動ぎもせず余韻を感じていた都響の演奏会と、その時間を持つことができなかった新日フィルの聴衆。これは、指揮者の力量の差でもあるように思います。

とにかく、苦労して入手して期待をしていた演奏会。
素晴らしい時間をありがとう。