最近のマイ・ブーム2009年06月06日

最近のマイブームは脳科学と終末医療。

 前者は、とあるblogで紹介されていたのがきっかけで、意識がどこにあるのか。心はどこにあるのか。ずっと気に掛けていたことが、いまどこまでわかっているかを、専門用語を極力使わず書かれている文献にようやく出会えた。
今真っ盛りの茂木先生のは、パラッと立ち読みした段階では気が引かれるのだが、いざ自分のモノにして読むとなると中々先に進めない。彼の書籍と私の相性が悪いのだろうか。
 そこに、「錯覚する脳―「おいしい」も「痛い」も幻想だった 前野 隆司著」であるとか、「脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く 同著」であるとか、池谷祐二先生の手頃な著作(単純な脳、複雑な「私」、進化しすぎた脳 (ブルーバックス) )があることを知った。母校で現役高校生を相手に講義をした記録が底本になっているもので、それぐらいであればついて行けそうな感じがした。
それでも、まだ助走が必要かと思って「海馬―脳は疲れない (新潮文庫) 池谷 裕二 糸井 重里」を読んで行けそうな感じがした。そこで、主要な著作を大人買いをしてしまった。

 それで、後者の方は終末期に実際は七転八倒の苦闘を続けているその合間にあるわずかな穏やかな時間を使って残された記録や著作にその珠玉をみるからだ。
そこに、その者の生きた総括があり、後悔も諦念もすべて飲み込んで残された、純度の高い一言一言に触れる貴重な場であると信じているからだ。
そのなかでは、「がんと闘った科学者の記録 戸塚 洋二, 立花 隆著」をこれから読む。
著者は、小柴先生の後にノーベル賞受賞が確実されていた実験物理学者でした。その方が遺した「戸塚教授の「科学入門」 E=mc2 は美しい! 戸塚 洋二著」は、科学を志す若者に向けて闘病中に書かれたblogが底本になっている。最前線の科学者が後人に託した思いに触れることは何よりも力を与えてくれるものだ。これからその世界に触れることを楽しみにしている。

【映画】劔岳 点の記2009年06月20日

点の記 バナー
 国土地理院協力の映画が今日封切られました。市内のシネコンが偶然特価日でしたので、前売券より安く鑑賞することができました。
 明治末期の地図を作る人たちとそれを応援する地元の山人の映画です。新田次郎原作。FSXによるごまかしは無しという監督のふれこみでした。雪崩のシーンは合成かなという感じでしたが、SFXではなく昔ながらの模型?での雪崩か、模型で雪崩を再現することの方が難しいので、記録映像と芝居の合成かも知れません。こだわりといえば、登山につきものの滑落のシーンも人形ではなく、スタントによるものだったようでしたから嘘にならないことにこだわって作られている、時間と人手のたっぷりかかった作品であることが分かりました。

 北アルプスの雄大な自然と風景が惜しみなく使われていました。あれだけの素晴らしいワンカットのために、天気の不安定な山でどれぐらいのロケをしたのでしょうか。
未踏峰の劔岳登山の途中、雪渓を行くパーティの鳥瞰がありました。スケールの大きな自然環境のなかで、人はいかにちっぽけな存在であるのか。私たち人間は、ほんの少しの間間借りしているだけに過ぎず、我が物顔に振る舞うことのいかに傲慢なことか。を思い知らされるシーンでした。

 地図を作る仕事は、陸軍に所属する地理測量部が行っていたのですね。地図を作る技術屋は文官で、幹部は軍人という組織からという役割分担ですが、今も昔も変わらない、現場と内業の乖離。板挟みになる現場のリーダーという構図はここにもありました。最後のオチの部分は、そうだよなと頷けますし、それを考えつかない方がどうかしているとも思えます。

 劇場公開を意識して少々はしょったかなと思われる部分がなきにしもあらず。ディレクターズ・カットで見てみたいものです。おそらく、贅沢なシーンのカットがあるんじゃないでしょうか。

 季節のうつろいが素晴らしいカットで残されています。撮影監督として長年勤めてきた監督のこだわりが随所に感じられます。

 静かで、穏やかな映画です。
テクニカルな見方や、つじつま合わせのミスなど重箱の隅を突くような見方はしたくありません。
 絡まったストーリーも、複雑なトリックもありません。
直球勝負の映画です。
ただ、映し出される風景と人間模様を淡々と味わう。
そういう鑑賞が相応しい作品ではないでしょうか。
しいていえば、「何のために・・・」を自分に向かって問うことでしょうか。